たくさんの俳句のご応募、ありがとうございました。

先日から募集している俳句、本日までに集まったものを公開します。
まだまだ受け付けておりますので、他の皆様も公演の思い出を是非詠んでみてください。

薫風に 幾年思い 川渡る
友ら行く 歌声響き 犬が追う
パレンバーグ智恵子

デエッサの あざみのとげに カタツムリ
五十年、それでも出てくる 七五調
スペインでは、とものやさしさ うれしけり。
サンボーン安子

いにしえの コリアの空に はせくら像
「とも」の声 アンダルシアに 響きけり
三日月の 涙あふれる アルカサール
懐かしき 友との触れあい マドリード
阿部友子

松林、遠く聞こゆる、磯の波
私の実家のある相馬市を襲った津波、何処の沖合でもそうですが、特に磯部地区が大破壊されてしまったので、『磯』を使いました。家族や友人との憩いの場でもあった海浜青年の家もありました。美しい松林が殆ど破壊されてしまったけど、私達の心には波の音と共にまだ生存しています、と言う事を表現したかったのです。
阿部公美

スペインに 俳句文化の 朝日出ず
俳句のセッションでは、俳句の本を何冊か書いたビンセンテ・セン氏ほかの参加者らの高度な理解に驚かされました。スペインでの俳句文化の台頭を確信した一句です。
常長が 見た海かくも ありきかな
同セッションでは地元の風景を紹介した写真を見ながら俳句を作る時間がありました。地元の港の写真を見ながら、この句を紹介しました。
江波戸操吉

アンダルシア 一気にビール 喉走る
炎天下を長時間歩いた後のビールの美味しかったこと
ハポンさん 一期一会の えにしかな
もう、二度とあの方達とは、会う機会は、ないかも
歌響く スペイン夜空 下弦月
政宗のトレードマーク、下弦月に見守もられて合唱できたことは、一生の思い出
はぎはら敏子

あまりにも 異なる文化に 驚きぬ (2014-4-29)
文化は、生活習慣、生活のペース、整理整頓の行き届いた街の様子、人々の親切なふるまい、なども含む。24時間眠ることのない喧騒の大都会NYとコリオ・デル・リオとの対比におどろく。
セビリヤで 情熱の舞い フラメンコ、三千年の 歴史を想う
澄みわたる さつきの宵の アルカサ-ル、 三日月めでる 狩猟の庭で
“とも”の友 いつもハシャイデ 賑わいし、 笑いの絶えぬ スペインの旅
松川とし子

三日月夜 響く友の環 アルカザル
宮殿の庭園での三合唱団のコンサート。政宗も聞いて下さっているのだろう。
アルカザル 二国の歌声 三日月の下(もと)
政宗の 想いをいだいて 萩と友
大和心 ハポン家に今も 流々と
ハポンさん宅での手厚いおもてなしを受けて。昔からのおもてなしが伝えられているのかしら。
三日月の 思いあふれる コーリアデリオ
政宗、支倉の熱情が感じられる、二回目のコンサートでした。
ルーニー恭子

五月晴れ 茎にはびこる かたつむり
白田せつ子

太陽(ひ)の熱に 常長の夢 よみがえる
El calor del sol El Sueño de Tsunenaga Revive aquí
コリア市二日目の川を渡った郊外での散策。暑かった―。そして灼熱の太陽。きっと400年前常長たちもこんな暑さの中セビリアまで歩いたに違いない。人々の熱狂的な歓迎の中で、使命感に燃える彼らにはこの暑さは苦にならなったのだろう。
白田 正樹