サンファン号解体反対署名、10,000筆を突破!

混声合唱団JCH「とも」は400余年前の慶長遣欧使節団の末裔であるスペインのコリア・デル・リオ市のハポンさん達や市民合唱団と交流を続けてきました。その使節団を運んだサンファン・バウティスタ号の原寸大復元船が老朽化を理由に宮城県が解体する決定を下したことに関連し、JCH「とも」は“サン・ファン号保存を求める世界ネットワーク(世界ネット)”の賛同者として解体反対運動を応援しています。

世界ネットは今年1月から反対の署名運動を続けてきましたが、その数が6月15日時点で当初の目標である10,000筆を突破したと発表しました。この中には昨年11月に94歳で亡くなられた元横浜国立大学教授の宝田直之助氏の奥様や姪御様が中心となって集められた約200筆が含まれています。宝田氏は帆船「日本丸」や青函連絡船「津軽丸」などの建造に携わった船舶海洋工学の権威で、サンファン号復元船の建造にあたっては歴史的資料が乏しい中で地道な考証作業を行いながら設計図を完成させ復元船の建造に貢献されました。また、その後の東日本大震災後の修復作業やメンテナンスにもご尽力されました。船大工の棟梁として現場で陣頭指揮を執った元村上造船の故村上定一郎氏とともにサンファン号を奇跡的に復元させた二人の英雄の一人として賞されています。

世界ネットは、目標の10,000筆をクリアできたことは「この復元船が貴重な県の文化遺産であり、その歴史的意義と共に将来的に保存されるべきという県民そして世界中の賛同者の強い意志の現れだ」とコメントしています。

(10,000人の署名を手にして微笑む世界ネット・アンバサダー 宮床伊達家末裔 都甲マリ子氏)

世界ネット、村井宮城県知事を提訴!

サンファン号保存を求める世界ネットワーク(世界ネット)は6月23日、県による復元船サンファン号解体の決定は違法であり、解体に伴う契約の締結や公金の支出は許されないとして村井知事を被告として解体差し止めの訴状を仙台地方裁判所に提出しました。

差し止めの理由として下記3点を主張しています。

  1. 復元船は、県民の力を結集し、慶長遣欧使節の歴史的意義を後世に伝えるために建造された最大級の木造帆船で、船大工がいなくなった現在では今後同様の船舶の建造は事実上不可能。宮城県が世界に誇るべき貴重な文化遺産であること。
  2.  

  3. 宮城県が復元船を改修して保存することを断念する決定をしたことは、復元船の現状についての事実を誤認し、事実の評価を誤って判断したものであること。
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  5. 行政施策の選択・決定に裁量があるとしても、考慮すべき歴史的・文化的価値を十分に考慮せず、保存が可能か否かという評価にあたって、原告らが提言するような保存方法を全く検討しなかったことは、判断過程が社会通念に照らして著しく妥当性を書いており、裁量権の範囲を逸脱・濫用していること。

訴状提出の模様そしてその後の記者会見の模様は各メディアで報道されました。